身元保証人(身元引受人)という用語は、現在のところ、法令上で規定されているわけではなく、医療機関や老人ホームなどで慣習的に使用されている用語と言えます。
(もっとも、「身元保証ニ関スル法律」という法律もありますが、この法律は雇用契約上の規定でありますので、医療機関や老人ホームなどで使用されている「身元保証」とは、意味が異なるものと考えます。)
特に、高齢者が医療機関や老人ホームといった施設に入所する際には、施設側から身元保証人を求められるケースも少なくありません。
こちらでは、本人もしくは医療機関・老人ホームなどの施設側が、身元保証人に対して求めている一般的な役割を、4つご紹介します。
なお、いずれも本人には判断能力が十分にあることを前提にしております。
1つ目は、緊急時の連絡対応です。
身元保証人は、施設と連携を取り、状況に応じて必要な対処を行うことが期待されます。
例えば、本人が施設内でトラブルを起こした際には、身元保証人は解決に向けた行動が求められます。
また、怪我や容態の急変で救急搬送された際には、速やかに医療機関へ駆けつける役割を期待されます。
2つ目は、生活上の各種手続きです。
例えば、本人から、身元保証人に対して、本人が生活する上で必要となる手続きを代行することを委託される場合もあります。この結果、施設側も、本人の施設利用料・医療費の支払や、入退院の手続きなどがスムーズに進むことを期待できます。
また、本人が退院・退所する場合や、本人が亡くなった際の、退去手続きや荷物の引き取りなどの身元引受人としての役割も求められます。
3つ目は、意思決定の支援です。
例えば、介護施設におけるケアプラン、医療機関における治療方針などについて、施設側から説明される際に、本人とともに身元保証人が同席して、本人の意思決定の支援を行うという役割が求められることもあります。
4つ目は、施設の利用料金滞納時の保証人です。
すなわち、身元保証人が、本人が施設の利用料金を支払えなくなった場合に、代わりにその料金を支払うという、保証人もしくは連帯保証人としての役割が求められることもあります。
こちらでは、身元保証人(身元引受人)がどのような役割を期待されているかについてご紹介しました。
ただし、身元保証人が常にこれらの役割をすべて果たすことになるかどうかは、本人の事情や身元保証人と本人・施設との関係によって様々かと思われます。
高齢者などが、入院する際や介護施設に入所する際に、身元保証人などを求められることが多い一方で、近年は「身元保証人を依頼できる家族がいない」「諸事情で家族に身元保証を依頼しづらい」といった方が多いのも現状です。
笹岡行政書士事務所は、ご依頼者と面談を重ねて信頼関係を築き、さまざまなサポートを行います。
身元保証人に関してお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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